▼2010年代 〜新たなるリスペクトへ

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2010年

8月11日 New
iTunes Storeにて『イシターの復活』の曲をまとめた
『イシターの復活』オリジナルサウンドトラックがダウンロード販売開始
 前年12月9日に、アップル「iTunes Store」より『ドルアーガの塔』のサウンドトラック音源が配信されたが、それに引き続き、『イシターの復活』のサウンドトラックが配信開始された。

 『イシターの復活』の“ちゃんとした”サウンドトラックとしては、2003年5月21日に『NAMCO ARCADE 80'S』というCDがリリースされており、そこにほぼ完全版とも言えるサントラが収録されている。
 ただし、そのCDはもはや廃盤となっており、中古市場でも法外な高値が付けられているのが現状。
 となると、やはり廃盤もなければプレミアも付かない、音源データのダウンロード販売となるだろう。

 ただ、惜しむらくは『ドルアーガの塔』にはあったS.E.集が、今回は販売されていないこと。前述のCDには収録されていただけに、ちょっと残念か。
 とはいえ、純粋に音楽を聴くのであれば、このダウンロード販売で問題ないだろう。


2011年

1月12日 New
携帯電話用アプリケーション『ドルアーガの迷宮』配信開始
 世間的に従来の携帯電話が「ガラパゴスケータイ(ガラケー)」「フィーチャーフォン」と呼ばれ、新たにiPhoneなどに代表される「スマートフォン」が勃興してきた2010年代。
 そんな中、いわゆるフィーチャーフォン用のアプリとして、2011年にドルアーガシリーズの新作『ドルアーガの迷宮』が配信された。

 正直、まさかこの時期に、しかもフィーチャーフォン用アプリとして、新作が発表されるとは思いもよらなかった。
 例えば、いまやPS3やXbox360などの据え置き型ハードや、Nintendo DSiといった携帯型ハードでも、ちょっとしたゲームならダウンロード販売で入手できるご時世である。
 また携帯電話自体も、フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が今後ますます加速してくると言われている時期に、フィーチャーフォン用アプリがリリースされたことに驚いた。
 あるいは近年盛り上がりを見せている、いわゆるソーシャルアプリでもなかった点も、特筆すべきかもしれない。

 ゲーム内容は、以前から「正統続編」と謳っていたように、基本的な部分はまったくもって『ドルアーガの塔』のまま。
 ストーリーは半年後(ギルとカイは結婚済み)、瓦礫の山と化した塔の残骸撤去中、ドルアーガの墓石(『イシターの復活』にあったアレ)をどかすと、その舌に地下迷宮が広がっていた。時を同じくしてカイがさらわれ、ギルが再びカイを救いに、地下迷宮に赴く…というもの。
 そして、システム的には何も変わっていない。ただ各階の形状が長方形に統一されていないこと(地下迷宮だから設定上制限はない)、一部魔物が追加されたことぐらいで、あとは操作方法からアイテムの効果、時間切れでウィル・オー・ウィスプが登場する点まで同じだ。
 ただ、宝箱の出し方は新たにいろいろ仕組まれているそうなので、それはプレイヤー各自で探し出せ、ということになっている。


 もしかして、当時のマニアに最も望まれていた「続編」とは、こういう作品なのだろうか?

 バビロニアン・キャッスル・サーガが4作品で完結し、かつ創造主の遠藤雅伸自身が直接手がけた関連作品がない(関わったとしてもスーパーバイズのみ)ため、『ドルアーガの塔』の続編や関連作品といっても、オリジナルのテイストからかなり離れた作品が多かった。
 これにはそもそも、遠藤雅伸自身が「続編とはこうあるべき」といったような固定観念を持ってないことも理由にあるだろう。2chで本人(?)が書いたところによると、この作品のテイスト確認の際に「どう料理してくれてもいいです」と答えたとのことで、そこからも考え方がうかがえる。
 だからこそ、カードゲームや不思議のダンジョンなど、さまざまなアプローチの関連作品が生み出されたのだろう。

 しかし、それらが必ずしもファンの望む声と一致するとは限らない。
 例えば、以前プレイステーションで発売された『ナムコミュージアムVOL.3』収録の『ドルアーガの塔』には、宝箱の出し方らフロア構成が大きく変わった「裏ドルアーガ」「闇ドルアーガ」が存在し、ファンから高い評価を得た。
 それ以来、そうしたベクトルの関連作品が出ることはなかったが、ここに来てその延長線上にあると思われる、この『ドルアーガの迷宮』がリリースされたというわけだ。
 自分は宝箱の出し方をすべて知ってから『ドルアーガの塔』を始めたクチなので、宝箱の出し方探しにあまりこだわりはない。だが、今回のアプローチに腕が鳴るという人も、けっこういるのではないだろうか?

 いずれにせよ、この2011年という世の中にこうしたゲームが出せたこと自体、奇跡とも言える。
 今後の評価にもよるだろうが、スマートフォンやソーシャルアプリ全盛のこの時代、今後こうしたゲームが出る望みは、果てしなく薄い。
 まずは遊んでみよう。そうしなければ、良い評価も悪い評価も、何も始まらない。


Chronicle Menu
▼1980年代 〜『ドルアーガの塔』から『カイの冒険』まで
▼1990年代 〜花博アトラクションから近代ハードへの移植まで
▼2000年代(前半) 〜『ドルルルアーガ』から多彩な外伝まで
▼2000年代(後半) 〜ネットワーク時代から新たなる広がりへ