ドルアーガの塔
the Aegis of URUK
STORY | ||
アヌの夏――。 五年に一度だけ訪れるこの時期は、天上のアヌ神の加護により、塔内の魔物は皆ひとしくその力を失ってしまう。 ギルガメシュ王により建国されたウルク国は、北方に「塔」の復活を確認すると、出現した魔物の征討を理由に「塔」内部への侵攻を開始。 以来このアヌの夏の到来を見計らい、上層階への進撃を目標に塔内に拠点を作り続けてきた。 嘗て、ドルアーガの塔を彩った勇者ギルと巫女カイの物語が伝説として伝承された八十年後の世界……。 ついに三度目のアヌの夏が訪れようとしている。 塔内第一階層に最初に建設された拠点「塔内都市メスキア」は、塔と共に復活を遂げたと目されるドルアーガ討伐の為、三度目の出征に備えるウルク国軍と、塔最上階に眠るという伝説の秘宝「ブルークリスタルロッド」の噂を聞きつけた冒険者たちで賑わっていた…。 |
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FEATURE | ||
これはゲームではなく、アニメーション作品である。しかし、既存のストーリー(BCSなど)から作られたものではなく、単独の章として成り立っているものであるため、今回メディア系の項目ではなく、あえてこの項目で紹介することにした。 2008年4月4日深夜放送開始。ストーリーは『ザ ブルークリスタルロッド』のエピソードのうち、バビリム王国とスーマール帝国を併合したウルク国を建国した話を中心に、さまざまなエピソードが盛り込まれて描かれている。 その当時から80年後ということで、劇中にギルが登場するものの、もはや老年。主人公は塔の最上階を夢見る青年・ジル、そのパートナーとしてカーヤやアーメイといった、個性的な仲間が加わる。 地上波放送と同時期に、“パソコンテレビ”を銘打つ無料ストリーミング放送サイト「GyaO」にて同じ話を放送するなど、意欲的な試みが行われている。さらに、第1話では地上波とGyaOにおいて「表1話」「裏1話」という別々の内容を放送するという、大胆なサプライズまで仕掛けられた。 ただ、全般的に笑いの要素が多く、とくに「表1話」「裏1話」を予備知識なしに見て、ギャグアニメだと思った人すらいた。それだけに、シリアスな要素を強く望む人々には拒絶感を持つ者も多い。 スタッフのほとんどが『ドルアーガの塔』に多大なる思い入れを持つ者であり、また同シリーズきっかけにファンタジー世界に興味を持った者も少なくない。さらに、原作者にあたる遠藤雅伸がスーパーバイザーとして参加し、詳細な設定を一から洗い出したという、まさに入魂の“新章”と言えよう。 全12話が終了し、その続編となる『ドルアーガの塔 the Sword of URUK』の2009年放映が発表。物語の結末は、この第二期に持ち越されることとなった。 また、シリーズ構成・脚本を手がけた賀東招二(BCSの大ファンとのこと)曰く、正当な続編ではなくパラレルワールドとしての位置づけという旨が明かされた(参考:ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog)。そのため、“続編”という括りからは外れてしまったことになる。 いずれにせよ、24年前に発売されたテレビゲームが、時を経て数多のクリエイターを呼び寄せ、テレビアニメという舞台で新章を紡いだということには、原典の及ぼした影響の大きさを改めて再確認せざるを得ないだろう。 そして物語は、続編へと続いていく…。 |
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RELEASE | ||
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