カイの冒険
THE QUEST OF KI
STORY
... IN ANOTHER TIME
   ... IN ANOTHER WORLD

いまとは べつのじかん
  こことは べつのせかいの
          おはなしです

ははなる ユーフレイトの ながれのほとりに
マーダックおうのおさめる バビリムのまちが
ありました. ひとびとはかみをうやまい
よくはたらき なかよくくらしていました.

アヌのかみは ブルークリスタルロッドを ひとびとに
さずけ まちのそらに かかげました. ロッドの
あおいかがやきは えいえんのはんえいと
ゆたかなみのりを やくそくするものでした.

ところが これをきいた スーマールていこくの
バララントこうていは バビリムにせめこみ
まちのひとをとらえて みんな ドレイにして
しまったのです.

そしてバララントは ロッドをてにいれるために
てんまでとどく とうをつくらせました. あおい
かがやきはさえぎられ ちじょうは ふあんと
くらやみに つつまれました.

かみをもおそれぬ ていこくのおこないに アヌは
いなづまをおとして とうをはかいし ていこくの
へいしのたましいを ロッドに ふうじこめて
しまいました.

しかし やみにとざされたちじょうでは めがみ
イシターとの たたかいにやぶれ ロッドの
ひかりに まりょくをふうじられた ドルアーガが
ふっかつしていたのです.

ねむりからさめたドルアーガは こわされた
とうを まりょくでなおし てんから ロッドを
うばい とうのさいじょうかいに かくして
しまいました.

これをみたイシターは おうにつかえる みこの
カイに つげました.
”カイよ せかいをすくうためには だれかが
ロッドをとうから もちかえらねばなりません.

あなたに ゆうきをみがるさにかえる まほうの
ティアラを さずけましょう. こころただしき
ものには きっとたすけが あらわれるはずです.
さあ カイよ いきなさい!”

こうしてカイは きけんな ドルアーガのとうに
むかいました. いよいよ はじまります.

     カイのぼうけんが ...

FEATURE
 『ドルアーガの塔』のプレ・ストーリーとして登場したアクション。また、シリーズ初の家庭用ゲーム機専用タイトルとなっている(後に任天堂VS筐体対応で、アーケード版も存在するらしいが…)。
 主人公のカイは一切の攻撃ができないため、アクションとはいえ敵の攻撃やトラップを避けまくることでゲームは展開。その意地悪な仕掛けの数々は、むしろパズルゲームとしての奥深さを味あわせてくれる。

 カイが可能な行動は走ることとジャンプのみ。ただ、ジャンプの性質が特殊で、ジャンプボタンを押しているあいだはロケットの打ち上げのごとくゆっくりと上昇、ボタンを離すとゆっくりと下降する。また、すべての行動に慣性が働いているため、ダッシュから急に立ち止まることはできないし、ジャンプもボタンを離すとすぐに下降するわけではない。
 さらに、ダッシュで壁にぶつかったり、ジャンプで天井に頭をぶつけたりすると、その場で(あるいは落下して)頭を抱えて少しのあいだ動けなくなってしまう。だが、逆にこれを利用して「わざと頭を抱えさせて体勢を低くし、敵の攻撃を避ける」といったテクニックもあるのだ(また、そのテクニックが必須となる面もある)。

 このゲームは、とにかく正確なコントロールが要求される。計算されつくした敵やトラップの配置を、頭と指先を働かせてくぐり抜ける……そのもどかしさと快感が、このゲームのすべてと言っていいだろう。
 とりわけ、本来の終着点である60面以降、61〜100面の“スペシャルステージ”の難しさは、サディスティックの一語に尽きる。
 さらに、コンティニューは無限にできるが、セーブの手段がないことも難しさの一因だ。全100面をクリアしようと思ったら、相当な精神力が要求される。おそらく、パスワードコンティニューでもあれば、これほどまでに難易度が取りざたされるゲームにはならなかっただろう。「つねにファミコン本体の電源をつけっぱなし」「同じ面を解けるまで何度も何度もやらされる」といった要素が、やりこんだプレイヤーにとってアツイ思い出となっているのだ。

 なお、このゲームはシリーズ中でも例外的な、「予備知識がなくても楽しめる」作品だ。
 宝箱の出し方を知らないと話にならない『ドルアーガの塔』、知識と経験の両方が問われる『イシターの復活』とちがい、ゲームソフト一本さえあれば誰でもそれなりに遊べるため、同シリーズでは異例の作品と言ってもいいだろう。
RELEASE
1988.7.22.
2008.3.1.
for FAMILY COMPUTER
for FEATURE PHONE APPRICATION (i-mode)