▼2000年代(後半) 〜ネットワーク時代から新たなる広がりへ

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2005年

1月31日
Windows用ソフト
食玩「ゲーム伝説」版『ドルアーガの塔』発売
 お菓子のおまけとして始まったフィギュアなどのグッズが、完成度や価値を増したことで「おまけがメイン、お菓子は付属品」という逆転現象を起こした“食玩”。行き着くところまで行ってしまった食玩は、ついにゲームソフトにまで至った。ナムコの懐かしの名作アーケードゲームを、Windows用に移植してお菓子に同梱したシリーズ、それが「ゲーム伝説」である。インストール不要でCDロムを入れれば遊べるという手軽さ、そして食玩らしく315円(税込)という価格が特徴的なシリーズだ。
 ちなみに、このシリーズを開発した株式会社ユードー、代表取締役はかつてコナミの『beatmania』シリーズでdj nagureo、tigerYAMATOなどの名義で曲を提供していた南雲玲央氏である。

 この「ゲーム伝説」のタイトルのひとつに『ドルアーガの塔』が収録された。内容は2〜5、15、18、21、26、29階を抜粋した全9面構成で、29階をクリアすれば終了となる。なんとも中途半端な感じだが、この「ゲーム伝説」はインターネットを介したハイスコア集計を行っていた。つまり、ゲームクリアよりはハイスコアを競うことの方に主眼が置かれいるわけである。そもそもの『ドルアーガの塔』のコンセプト(遠藤氏の「このゲームにはスコアより大切なものがある」というコメント)と相反する向きもあるが、そもそもが食玩であるわけだし、あまり深く考えずに楽しみたいところ。
 …しかし、遊んでいくうちに「敵は無視して一直線にクリアし、タイムボーナスで稼いだ方が高得点なのでは!?」という疑念に突き当たった。実際、管理人のなまっちょろい腕では2階でジェットブーツだけ取り、あとはひたすら先を急いだ方が遙かにハイスコアが得られる。

 ハイスコア集計は約半年間行われた。面白いのが、公式サイトにてハイスコアを記録したデータをダウンロードできる点で(そもそもハイスコアの応募が「プレイをトレースしたデータを送信すること」で行われる)、それを自分の「ゲーム伝説」に読み込ませれば、他人のハイスコアプレイが再生されるのである。
 だが、公式サイト自体が8月末で公開終了となり、管理人は肝心のハイスコアデータをダウンロードし損ねてしまった(正確に言えば、間違って『マッピー』のデータをダウンロードしてしまっていた)。結局の所、どのようなプレイが最終的にハイスコアを得られていたのか。今となっては知る由もない。
 
5月26日
プレイステーション2用ゲーム『ナムコ クロス カプコン』発売
 2002年に発売された『ナムコスーパーウォーズ』というゲームがある。これはナムコの歴代キャラクターが登場したシミュレーションRPGで、ゲームを超えた夢の共演が話題となった。その方向性をさらに広げ、なんとナムコとカプコンのキャラクターが共演する世界を作ってしまったのが、この『ナムコ クロス カプコン』である。もちろんギルとカイも、かなり大きな扱いで登場している。

 キャラクターは両メーカーのメジャーどころからいささかマイナーなものまで多種多様。しかも主立ったキャラクターには声優による声が付けられており、ギルは石田彰、カイは田中理恵が担当。
 バトルのシステムは、状況に合わせてコマンドを入力する半分アクションゲームのようなものであり、ボーッと見ているだけではゲームが進まない。その点、多少面倒くささはあるものの、そこかしこに散りばめられたマニアックなネタと燃える展開は、往年のファンならば一度はプレイしておきたい作品だ。

 …しかし、その長さゆえ、面倒くさがりには不向きなゲームかもしれない。

6月23日
ナムコチャンネル for Sony Style版『ドルアーガの塔』『イシターの復活』配信開始
 2003年に、ソニー製パソコン「VAIO」専用のゲームとしてダウンロード販売が開始された発売された『ドルアーガの塔』『イシターの復活』。VAIO専用版はそのまま継続して販売されているが、6月23日に新たに「ナムコチャンネル for Sony Style」が始まり、あわせて『ドルアーガの塔』『イシターの復活』も配信開始となった。
 これにより、「My Sony ID」さえ持っていればVAIO以外のWindowsパソコンでダウンロードし、遊べるようになるのである。価格は30日間で500円、制限なしで1,500円。ちなみに、こちらもコピーライト表記が「1984 2001」なので、恐らくメディアカイト版の移植と思われる。

 なお、このサービスは残念ながら2007年6月28日をもって終了となった。

9月2日
第43回アミューズメントマシンショーに
アーケード用ゲーム『ドルアーガオンライン』出展
 昨年の『ザ・バトル・オブ・ドルアーガ』出展に続き、アミューズメントマシンショーに再び姿を現したドルアーガ。しかし、今回はより具体的な方向性を示して現れた。それが『ドルアーガオンライン』である。

 タッチパネルでキャラクターを操作するという点は以前より引き継がれているが、ギルとワルキューレのほかにカイとゼオバルガ(オリジナルキャラ)が加わり、さらにICカードへのデータ保存、ネットワークプレイが可能になった。つまり、方向性としては『ドラゴンクロニクルオンライン』や『アイドルマスター』などのサテライト型ネットワークゲームとでも呼ぶべきもの。
 ゲームの登場はもっと先になると予想されるが、どのようなゲームになるのか。今後のロケテスト、そして製品版に注目したいところである。

 ちなみにAMショーでは、事前に整理券制が告知されていたが、前日夜にそれを止めて順番に並ぶルールに変更。そのため、最大で60分待ちという行列が一日中絶えなかった。


2006年

2月23日
『ドルアーガの塔』を収録した
プレイステーションポータブル用ソフト『ナムコミュージアムVOL.2』発売
 携帯電話のアプリケーションとしてリリースされたり、ゲームボーイに1990年(16年前!)に移植されたりはしたが、ついに携帯型ゲーム機に初めてカラーで移植される『ドルアーガの塔』である。とはいっても単体での移植ではなく、『ゼビウス』や『マッピー』など全11タイトルの中のひとつだ。
 PSPはそもそも画面が横長。そのため、縦モニターのゲームは左右に空白を作り、さらにスコア表示などの位置をズラして移植している。まさに苦肉の策であるが、その再現度はかつてのゲームボーイ版とは比べものにならない。

 ちなみに、このシリーズには「マニアックオプション」なるものが存在し、ゲームで一定の条件を満たすと、マニアックなオプションが出現。例えば『グロブダー』では自機をグロブダーからカイに変更可能になる(これは『イシターの復活』で、カイのProtectionのキャラクターパターンが『グロブダー』の自機のバリアと同じものを使っていることが着想と思われる)。
 『ドルアーガの塔』のマニアックオプションは、ひとつは一度に3クレジットを入れる「3クレジットスタート」。これはアルバム『THE RETURN OF VIDEO GAME MUSIC』に収録された音を再現したもの。もうひとつは、1コインによる全60階の「タイムアタック」と「スコアアタック」が存在する模様。

※「3クレジットスタート」の情報は、安藤正樹さんよりいただきました。情報提供ありがとうございます。

3月31日
iモード専用アプリケーション
iアプリ版『イシターの復活』配信開始
 前作『ドルアーガの塔』は、早々に携帯電話用アプリとして移植されたが、それ以降の作品はなかなかアプリ化されなかった。そしてアプリ版『ドルアーガの塔』から約4年、ようやく続編の『イシターの復活』が移植された。

 そもそも操作系が2レバー2ボタンというものであっただけに、それがどのように移植されたかに注目が集まった。その注目の操作方法とは、以下の通り。
キー用途
方向キーギル、カイの移動
決定キー、[5]カイの魔法使用
[9]Call Gilを使用
[0]ギル⇔カイの操作キャラ切り替え
[#]ギル、カイの同時操作⇔単独操作切り替え
右ソフトキー魔法選択画面へ移行(その間ゲームは中断)
左ソフトキーメニュー表示
(ゲーム中断、カイのMPやギルのVP(体力?)の参照などを行う)
 携帯電話というすさまじいコントローラーで、なんとかゲームを再現しようとしている努力の後がうかがえるだろう。
 肝心のゲームについては、管理人の携帯電話がなぜか非対応のため(一応903なのに…)、確認できず。実に残念なところだ。

 なお、時期はまだ未調査だが、Vodafone(現・Yahoo!ケータイ)版『イシターの復活』も、すでにリリースされている。

4月4日
アーケード用ゲーム『ドルアーガオンライン』全国稼働開始
 2004年9月の『ザ・バトル・オブ・ドルアーガ』発表後、数度のロケテストを経て、3月10日に全国8店舗での大規模ロケテスト(先行稼働)開始。そして、この日に全国のゲームセンターにおいて稼働開始となった。
 先行稼働時は、その設置台数の少なさから「パーティーを組む」ことすら困難であったが、全国での稼働とともにそれも改善。また画一的だったプレイ料金も、現在では店舗ごとに設定を変え、独自性が打ち出されている。

 プレイヤーは、ゲーム自体を楽しむのはもちろんのこと、やがてクエスト内に隠された「赤箱」「青箱」と呼ばれる「謎の宝箱」の捜索に熱中した。これらはプレイ中にある条件を満たす必要があり、その条件を巡ってインターネット上で情報を交換。やがて宝箱の発見から、正確な条件の絞り込みまで、ネットを通じたプレイヤー同士の情報交換で行われていったのだ。
 バージョン1.20からは「金箱」「銀箱」と呼ばれる新たな謎の宝箱も追加され、またいまだに出現方法が判明していないものも多い。ほかにもオベリスク(通称:ソル)という隠し宝箱などもあり、その謎はいまだに全容が解明されていないのだ。

 2009年10月1日AM2:00、オンラインサービスが終了。現在はオフラインモードでのみプレイ可能。


2007年

7月26日
EZweb専用アプリケーション
EZアプリ版『イシターの復活』配信開始
 iアプリ版から遅れること一年強、ようやくEZwebでのアプリ版『イシターの復活』が移植された。
 じつは時期は未調査だが、Yahoo!ケータイ版『イシターの復活』アプリもすでにリリースされており、EZweb版が携帯電話の3大キャリアでは最後発となる。これについては、恐らく他のキャリアでは採用されていない、EZwebの特徴でもある「BREW」と呼ばれる環境が原因と思われる(あくまで憶測)。

 内容は未プレイにつき不明だが、公式サイトに掲載されている画像が他キャリア版と同じものなので、操作形態なども同一であるものと思われる。

※EZweb版アプリのリリース情報は、ZANseshifarさんよりいただきました。情報提供ありがとうございます。

9月25日
任天堂Wii・バーチャルコンソールにて
ファミリーコンピュータ版『ドルアーガの塔』配信開始
 懐かしの家庭用ゲーム機のゲームを、任天堂のゲーム機“Wii”にダウンロードして楽しめる「バーチャルコンソール」。2006年12月2日のファミコン版『ゼビウス』の配信以来、さまざまなナムコの懐かしいタイトルが配信されてきた。そしてついに2007年9月、ファミコン版『ドルアーガの塔』が配信されたのだ。
 ただし、配信されたのはあくまでファミコン版。よって、ゲームキューブ用ソフト『バテン・カイトス』に付属してきた、ゲームキューブ版『ドルアーガの塔』と同じ状況と言える。
 内容はファミコン版そのままで、何も足されず何も引かれてもいない。すでに他ハードでアーケード版の移植が実現している以上、インパクトに欠けることは否めない。ただし、これにより今後『カイの冒険』や『ザ ブルークリスタルロッド』、PCエンジン版『ドルアーガの塔』が配信される可能性も出てきた。これらはいずれも移植版が出ていない状況なので、今後の配信予定に注目したい。

 ちなみに、任天堂はバーチャルコンソール用ゲームのうち、任天堂ハード用のもの(ファミコン、スーパーファミコンなど)については、任天堂のサイト上に各ゲームのページを設けて解説している。この『ドルアーガの塔』もまたページが作られているのだが、そこでは表のすべての宝箱の出現方法や、59階・60階の解法なども記されており、非常に丁寧な作りになっているのだ。ただし、裏ドルアーガに関しては一切触れられていないため、そちらの宝箱の出し方などは別途解法を探さなければならない。

10月11日
『ドルアーガの塔』を収録した
Nintendo DS版『ナムコミュージアムDS』発売
 『ドルアーガの塔』を収録したPSP版『ナムコミュージアムVOL.2』の発売より、遅れること一年。ようやくニンテンドーDS版『ドルアーガの塔』を収録した、『ナムコミュージアムDS』が発売された。海外では同年の夏頃にはすでにリリースされており、移植そのものはすでに実現していただけに、国内版の登場はまさに待ちわびていたことだった。

 注目すべきはやはりその“2画面”の使いかた。『ドルアーガの塔』の場合、ゲームは上画面で展開されるのだが、下画面には「プレイナビ」機能により、宝箱の出し方やそこで手に入るアイテムの解説が表示される。まさに『ドルアーガの塔』としては、うってつけの使いかたと言えよう。
 ただし、肝心の移植の方は、解像度の関係かグラフィックが縦につぶれてしまっている。またスコアやアイテム、残りタイム表示などが塔の外壁部分に食い込んでいるなど、かなり苦しい感は否めない。見た目では、PSP版の方に軍配が上がる。

 ともあれ、現在の携帯型ゲーム機の二強でともに『ドルアーガの塔』が遊べるようになったことは、2005年までの白黒ゲームボーイ版しか存在しなかった状況とは、隔世の感がある。どちらもミュージックプレイヤーなどの機能も充実しているし、ようやく「好きなときに好きな場所で好きなだけドルアーガが遊べる」時代が訪れたのだ。


2008年

3月1日
iモード専用アプリケーション
iアプリ版『カイの冒険』配信開始
 1988年7月22日のFC版『カイの冒険』発売より、20年。
 なんと、ここにきて奇跡的とも言える移植が発表された。21年目にして初の他機種への移植作となる。

 そもそも『カイの冒険』は、前年(2007年)に一部で話題となっていた。
 お笑い芸人の有野晋哉(よゐこ)が、さまざまなゲームに挑む人気CS番組「ゲームセンターCX」にて、2007年に『カイの冒険』が三度も取り上げられていたのだ。その内容も、第7シーズン最終回に『カイの冒険』に挑むも、時間切れのためクリアできず。さらに第8シーズン第1回目にて継続プレイするも、それでもクリアできなかったため、12月24日に番組初の生放送で3回目の挑戦。9時間を費やし、ついに全フロアクリアを達成するという、同番組でも異例の取り上げ方をされていたのだ。
 こうした影響もあったのだろうか。ついに移植が実現したのだが…そのプラットフォームは、操作性に難がある携帯電話だった。


 携帯電話という特殊な操作系統、さらに発売から21年が経過したことを踏まえ、様々な点が変更されている。おもな変更点は、以下の通り。

●アレンジグラフィックの追加
 ファミコン版そのままのグラフィック(ORIGINAL)のほか、移植版独自のグラフィックで表示する「ARRANGE」が追加された。それによる変化は、
  • カイのグラフィックの全面変更(美少女キャラっぽくなり、上昇中と下降中でポーズが異なるなどモーションが大幅に増加。しばらく立ち止まっていると、きょろきょろと左右を向く)
  • アイテム「ウィング」取得時に、残像ができたりキラキラした光に包まれる演出が追加
  • モンスターや背景の多色化
  • 各種デモ画面(オープニングやエンディングなど)の多色化・描き直し
 …などなど。イメージとしては、当時のアーケードゲーム水準のグラフィックになったと考えればいいだろう。

●エキストラステージの追加
 全100面のエキストラステージ(分類上は101階〜200階)が追加された。難易度の高い上級者向け、とあるが序盤の難易度はそう高い方ではない。

●画面構成の変更
 プレイ画面を構成する要素が、以下のように変更された(グラフィックが「ORIGINAL」でも表示は消えない)。
  • 左上…スコア、レーダー(床・壁・柱などを赤線で、カイの位置を緑色の点で表示)
  • 右上…タイム(これはオリジナルそのまま)
  • 左下…現在のフロア数
  • 右下…残機数(ここのカイのグラフィックは「ORIGINAL」と「ARRANGE」とで変わる)、カギの取得状況
  • 中央下…取ったアイテムのアイコン、および取った直後はその効果を表示
●操作方法の変更
 こちらはおよそアクションゲームに向かない携帯電話の操作系統を考慮し、「ダッシュボタンの削除(通常の移動速度の最高速がアップ)」、「ボタン入力で無条件にしゃがめるようになった」という2点が変更された。
 とくに後者は、ダッシュからの急停止が可能になったり、連続して頭をブツける必要があったマップ(51階など)の難易度が格段に下がるなど、ゲームバランスにも大きな影響を及ぼしている。また、普段は通る意味のない通路(59階のウィングが置かれた宝箱のある通路など)が抜け道に使えるようになったり、攻略にも影響を及ぼしそうだ。

 ちなみに、オプションでゲームスピードを「SLOW」「NORMAL」「FAST」の3種類から選べるようになっている。

●「リプレイシアター」の追加
 新しいモードとして追加された「リプレイシアター」は、各階をクリアしたときの状況を記録するもの。再生するとクリア時の行動を再現し(左下にはキー入力が逐一表示される)、何度ミスしようともクリアさえすれば、その模様がいつでも再生できるのだ。また、再生スピードは7段階から調整できる。
 具体的に記録される要素は、
  • FLOOR(階数)
  • CLEAR TIME(最短のクリア時間、1/100秒単位まで記録。これが更新された時に、保存されるプレイ状況も更新される)
  • LOST IN GAME(その記録における、ミスした回数)
  • TOTAL TRY(通算のプレイ回数)
  • TOTAL CLEAR(通算のクリア回数)
  • TOTAL LOST(通算のミス回数)
 なお、クリアできずにゲームオーバーになった階でも、「TOTAL CLEAR」と「TOTAL LOST」は記録される。また、リプレイシアターはタイトル画面から見られるほか、各階クリア時にも見ることができる。
 さらに、各リプレイごとに「AUTH CODE」というものが発行でき、これを入力すると他の携帯電話で達成したプレイ状況を、リプレイシアターで確認できるようだ。

 ちなみに、各面のクリア状況は自動保存され、いつでもやり直すことが可能(当然ながらワープで飛ばした面はクリアしたことにはならない)。なので、一度60階をクリアすれば、いつでもエンディングを見ることが可能になる。

●その他の変更点
  • 各面のイシターやクォックスのデモは、決定キーを押すまでずっと表示され続けるようになった
  • 60階ではカイの足音がしなくなった
  • 68階のアキンドスライムが削除され、かわりにヤマモ(『バラデューク』に登場する、顔のようなモンスター)が登場。ちなみにアキンドスライムは接触しても何も起こらないが、ヤマモは接触するとミス。
 …といった点が主に変更されている。
 携帯電話というプラットフォームだけが不満だが、それ以外はスマートな移植に仕上がってる(それとBGMの再現度が非常に高い!)ので、プレイできる方はぜひ一度遊んでいただきたい。ただし、このゲームはナムコのiモード用サイト「ナムコ・ゲームズ」への有料登録が必要となる(2ヵ月以上登録する場合のみ、初月無料)。


 ちなみに、60階クリア時のエンディングは展開がやや早回し状態で(BGMとも合っていない)、スタッフロールもアプリ版のスタッフ名が表示されるのみ。
 しかし、最後にはアプリ版スタッフより、こんなメッセージが表示される。

この すばらしいゲームを せいさくされた
げんさくしゃ ならびに かんけいしゃの
かたがた そして すべてのプレイヤーに
さいだいの けいいをひょうします.

4月22日
iモード専用アプリケーション
iアプリ版『ドルアーガの塔WIDE版』配信開始
 iアプリではすでに『ドルアーガの塔』を配信済みであるが、今回リリースされた“WIDE版”は、携帯電話の液晶部分を横向きにできる端末に対応したバージョンとなる。
 携帯電話にワンセグ機能が導入され始めたあたりから、いわゆる“AQUOSケータイ”に代表される「液晶部分を横に90度傾ける機能」が搭載されている。そして、『リッジレーサー』といったレースゲームなどで、こうした横向きの画面に対応したゲームが出はじめたのだ。

 今回のWIDE版は、元来横スクロールするゲームである『ドルアーガの塔』を、横向き画面にすることでスクロールせずに表現する狙いがあるものと思われる。
 ただ、実際にゲームを見たわけではないが、事前に発表された画面写真を見るかぎり、少なからず左右スクロールはせざるを得ないようだ。さらに、なるべくマップを入れるためにかなりレイアウトが苦しくなっており、マップに対してキャラクターが大きく(というよりマップを縮小して画面に納めたものと思われる)、アクション面では通常版とやや勝手が違ったものになっているのかもしれない。

 とはいえ、左右の広い範囲が見渡せているというのは、『ドルアーガの塔』にとっては今まで未体験の領域。チャイムに頼らずともカギを発見できたり、どの壁を壊せばいいのかがつかみやすくなるなど、これまでとはまた違った攻略になることだろう。

6月26日
『ドルアーガの塔』などのナムコゲームをモチーフにした
Nintendo DS版『ぼくらのテレビゲーム検定 ピコっと!うでだめし』発売
 昔のナムコゲーム30種類をモチーフに、各ゲームの独自要素を切り出してミニゲーム化、それの腕前を検定するという「テレビゲーム検定ソフト」として、Nintendo DS用ソフトとして発売された。

 そもそも昔のゲームは、表現力が劣るぶん何らかの“新要素”を盛り込むことが必須事項とされた。ナムコゲームでいえば、『ギャラガ』の“捕虜・デュアルファイター”であったり『ディグダグ』の“岩石落とし”であったり『妖怪道中記』の“気合溜め”であったりするわけだ。
 そうした、各ゲームごとに特徴として打ち出された操作やシステムをひとつの「ミニゲーム」としてとらえ、それらの操作を上手くできるかどうかを検定するというコンセプトになっている。今にして思えば、そうした各ゲーム独自のシステムをいち早く理解し、それに順応することが当時のゲーム攻略の第一歩だった。そうした理解と順応の資質を問うことで、たしかにゲーマーとしての能力を測ることができるのかもしれない。

 当研究室的には、もちろん『ドルアーガの塔』がモチーフとなったミニゲームがいくつかある点が見逃せない。
 例えば『扉に入れ!』では、文字通り鍵を取って扉に入るのが目的。そこでは「迷路を抜ける」「敵を倒す」といったゲーマーの資質が問われることになる。ほかにも『ドルアーガの塔』モチーフのミニゲームは何種類かあるようだ。
 また、オリジナルショートパズル『まちがいを探せ!』では、間違い探しの絵柄がギルとカイになっていたり、キャラクターが使われたオリジナルミニゲームも存在。さらには、『ドルアーガの塔』をモチーフにしたターン制のオリジナルショートRPG『敵を倒せ!』まで収録されている。ドラクエ風の戦闘画面で、ギルがアイテムや魔法(!)を活用しながら敵を倒していくという内容のようだ。

 ちなみに、そこそこの表現力を持つDSでありながら、全体的にファミコン版のグラフィックが使われており、さらにBGMはファミコンを意識したオリジナルの音色が使われている(ファミコン版の再現というレベルまでには至っていない)。


2009年

3月26日
任天堂Wii・バーチャルコンソールにて
バーチャルコンソール アーケード版『イシターの復活』配信開始
 任天堂Wii・バーチャルコンソールにて、これまでの家庭用ゲーム機用ソフトの配信に加え、3月26日より新たにアーケードゲームの供給を開始。その第一弾に、アーケード版『イシターの復活』が登場した(ちなみに、家庭用ゲーム機への移植はPS版『ナムコミュージアムVol.4』以来、約13年ぶり)。
 すでにファミコン版『ドルアーガの塔』も配信しているので、BCS作品のうち2作品がバーチャルコンソールで取り上げられたことになる。

 この「バーチャルコンソール アーケード」については、第一弾タイトル6作品のうち4作品が、バンダイナムコの(つまりはナムコの)アーケードタイトル。しかもこの4作品も含め、バンダイナムコはすでに全30タイトルがラインナップされているのだ。
 その中にはコンシューマ初移植のタイトルもいくつか含まれており、いかにバンダイナムコがこのバーチャルコンソール アーケードに注力しているかがわかるかもしれない。

 ゲームの方は、まだプレイしていないので不明だが、前述のように初移植タイトルも多数含まれている点から、何らかの形でエミュレートしているものと思われる。移植度も期待できるところだが、そこは実際にプレイした方々による評判を待ちたいところだ。

4月27日
ユニクロのコラボレートTシャツ「UT×Japan>Game」にて
『ドルアーガの塔』のTシャツ発売
 かねてより、『ドルアーガの塔』をデザインしたTシャツは、いくつか作られてきた。
 しかし、それらは東京のごく一部の店舗で売られているか、または通信販売ぐらいでしか手に入れることができなかった。それゆえ、知らない間に販売され、知らない間に売り切れているという事態も、多くあった。

 それが今回、ユニクロという大きな市場で、ゲームとのコラボ「UT×Japan>Game」の一環として、『ドルアーガの塔』を題材にしたTシャツが販売された。
 これまでのTシャツが、インディーズで一部店舗やネット通販で売られていたものだとすると、このユニクロとのコラボはいわばメジャーデビュー。全国各地に店舗を持つ、ユニクロブランドで発売されたのだから、手に入れるのも今までと比較にならないほど簡単だ。

 その後、さらに別デザインのTシャツが2種類販売された。うち1種類は、胸にデカデカと『ドルアーガの塔』のロゴがプリントされたもので、これだけ堂々とロゴが前面に押し出されたのは、電波新聞社/ペンタンのトレーナー以来ではなかろうか。
 2009年末の時点で、ユニクロから販売された『ドルアーガの塔』のTシャツは、計3種類になる。店舗数も766店(2008年12月末現在)を数え、いままでになく手に入れやすいドルアーガTシャツと言えよう。

5月12日
任天堂Wii・バーチャルコンソールにて
バーチャルコンソール アーケード版『ドルアーガの塔』配信開始
 任天堂Wii・バーチャルコンソールにて、3月にアーケード版『イシターの復活』が移植されたのに引き続き、今度はアーケード版『ドルアーガの塔』が登場した。
 これはバーチャルコンソール アーケードが発表されたときからラインナップに加わっていたため(しかも北米では3月26日より配信済み)、別にサプライズ移植というわけではない。ただ、バーチャルコンソールではすでにファミコン版『ドルアーガの塔』も配信しているので、同じゲームを異なるハードふたつで配信することになるわけだ(ちなみに、バーチャルコンソールでアーケードと移植版の両方がラインナップされているタイトルは、『マッピー』など他にも例はある)。

 ハードとしては、もはや移植に不足があるレベルではないので、文字通りの完全移植になっているものと思われる(ただしまだ未プレイのため詳細は不明)。
 実際の動きなどは、バンダイナムコがYouTubeにて動画を配信中なので、そちらを参照されたい。

11月5日
『ドルアーガの塔』を収録した
Xbox360版『NAMCO MUSEUM VIRTUAL ARCADE』発売
 Xbox360では、Wii「バーチャルコンソール」などと同様に「VIRTUAL ARCADE」というダウンロード販売で、『ゼビウス』などのタイトルをリリースしていた。
 そのタイトルに加え、Xbox初移植を含む大量34タイトルを収録した、Xbox360初の『ナムコミュージアム』が登場した。34タイトル収録で4,179円、1タイトルあたり130円以下という点が、公式サイトでもセールスポイントとして挙げられている。もちろん、当研究室に掲載しているということは、『ドルアーガの塔』も収録されているということだ。

 しかし、収録タイトルに関しては、さまざまな部分がユーザーより指摘されている。
 中でも『ドルアーガの塔』では、なんとレッドネックレスの効果(ソーサラーの出すファイアーエレメントを通過できる)が発揮されないという重大なバグがあるとのこと。そのため、36階の宝箱(中身はバランス、37階のハイパーヘルメットを取るために必須)の出し方「ファイアーエレメントを通過する」が実行できず、必然的に1クレジットクリアが不可能となっているらしい。
 ただ、36階でゲームオーバーになり、コンティニューして32階でもう一度バランスを取ることで、37階でキチンとハイパーヘルメットを取ることが可能とのこと。よって、この方法を前提とするならゲームクリア自体はできるようだ。

 すでに他ハードにも移植版が多数出ており、いまや幅広いプラットフォームで遊べるようになった『ドルアーガの塔』。
 それゆえに、Xbox360版でどうしてこのようなことが起きたのか。非常に悔やまれる作品だ。

12月9日
iTunes Storeにて『ドルアーガの塔』の曲をまとめた
『ドルアーガの塔』オリジナルサウンドトラックがダウンロード販売開始
 アップルのiPodなどの音楽やアプリの配信でお馴染みの「iTunes Store」。そこでバンダイナムコがゲームミュージックを配信するサービスを始め、その一環として『ドルアーガの塔』のサウンドトラックがダウンロード販売された。

 そもそも、じつは『ドルアーガの塔』の“ちゃんとした”サウンドトラックというのは、リリースされていない。
 『スーパーゼビウス』では、エンディングのフレーズが小さな音量で流れるのみ。『ザ・リターン・オブ・ビデオ・ゲーム・ミュージック』では、リバーブが強めに掛けられており、厳密にはオリジナルそのままとは言えない。
 そして、この2作品以外にオリジナルサウンドトラックはリリースされていない。ファミコン版が『食玩 ゲームサウンドミュージアム ナムコット編』でCD化されたくらいで、あとは他作品のサウンドトラックばかりである。
 Windows版『ドルアーガの塔』などに、wavファイルでゲームの曲が入っているので、それを聞けばオリジナルに近いサウンドは聴くことが出来る。だが、それが発売されたのも約10年前。少なくとも今、新品で手に入れることは難しい。

 そして今回、音楽ファイルとしてダウンロード販売がスタートした。
 音楽ファイルのダウンロード販売には、そもそも廃盤も関係ないので、これでいつでも『ドルアーガの塔』のオリジナルサウンドトラックが購入できるようになったわけだ。
 これまた元祖ゲームミュージックのサウンドトラックと言える『ビデオ・ゲーム・ミュージック』がリリースされた頃には、まったく想像も付かなかった時代である。


Chronicle Menu
▼1980年代 〜『ドルアーガの塔』から『カイの冒険』まで
▼1990年代 〜花博アトラクションから近代ハードへの移植まで
▼2000年代(前半) 〜『ドルルルアーガ』から多彩な外伝まで
▼2010年代 〜新たなるリスペクトへ