●資料・イラスト編

ザ・タワー オブ ドルアーガ ワールドガイドブック
■篠崎雄一郎・画/ヘッドルーム・編 ■大陸書房 ■1,200円
 PCエンジン版『ドルアーガの塔』の発売前に登場した、あくまでPCエンジン版での世界観をもとに書かれた設定資料集的な本。よって、モンスターやアイテムのリストも、PCエンジン版のものが使われていたりする。また、PCエンジン版の攻略や書き下ろしのマンガなども載っている。これらイラストやマンガは、すべてシリーズのイラストを担当している篠崎雄一郎氏の手によるものだ。

 イラストが豊富に載っているため、資料性の高い本だが、これも現在では非常に入手しにくい。
ギャルズ・アイランド
■ゲーメスト編集部・編 ■新声社 ■1,000円
ギャルズ・アイランド2
■ゲーメスト編集部・編 ■新声社 ■1,200円
ギャルズ・アイランド3
■ゲーメスト編集部・編 ■新声社 ■1,280円
 ゲーメストの増刊(またはムック)として発売された、ゲームに登場する女性にスポットを当てた本。正しくは、「ギャルズ」と「アイランド」の間にハートマークが入る。

 かなりロコツな企画誌だが、ロコツな甲斐あってか(?)シリーズ化され、合計で5冊発売された。おもに読者投票によるランキングとメーカーの公式イラスト、読者イラストにより構成され、後期はコスプレ写真も掲載されるなど、時流を反映していた。

 で、『ドルアーガ』シリーズにおけるギャルであるカイは、古くからのゲーマーの思い入れが強いせいか、読者投票でも上位に食い込んだりした。とくに「〜2」では、『ドルアーガの塔』シリーズ(『カイの冒険』をのぞく)のイラストを手がけた篠崎雄一郎氏による描きおろしイラストが大きく掲載されており、コレクター度は高い。
 しかし、「〜3」以降は対戦格闘ゲームのブームという時流に押し流され、格ゲーのキャラクターが増える一方、カイは静かに姿を消していった。

 前述のようにシリーズ化されるほど人気が高かった本なので、現在でも本屋や古本屋にある可能性は高い。
イラストサムネイル←ギャルズ・アイランド2掲載、篠崎雄一郎氏描きおろしイラスト。
 これは3点あるうちの一点。
 ちなみにこのイラスト、実際にはものすごくデカイ。
アクションバンド電波別冊[ゲームランド]ロープレ*ナウ
■マガジンランド&トラップ・編 ■マガジンランド ■980円(税込)
 デザインがたまらなく手抜きだったり、ページ単位でまるまる写真が入れ違っていたり、写真のキャプションに「あああああああ……」と入っていたり、読者からのFAX投稿を読者の自宅の電話番号ごと載せたりしたことで有名なゲームチャージ(=ゲームクリップ、旧姓・ゲームランド)の前身にあたる、RPGを題材にしたムック。同時期に「ダメージマニュアル」というムックも発売されている。

 基本的にRPGに関する本のハズだが、そこに発売直前の『ザ ブルークリスタルロッド』の記事が、6ページにもわたって取り上げられている。発売前ということもあり、内容はゲーム紹介がメイン。
 注目は、BCSのグラフィックデザイナー・篠崎雄一郎氏による、過去のBCS3作を振り返った「MAKING MEMORIES」。1作品1ページで、上半分が描き下ろしカラーイラスト、中段に当時を振り返ったコメントが掲載され、下段には手書きの文字や線画イラストの入った「設定回顧録」が掲載されている。ここでは色々な裏話が聞け、
  • 「カイのティアラはゴールドが正しい。シルバー(TODのポスターなど)はミスだった」
  • 「『ドルアーガの塔』のタイトルロゴは10分くらいでできたけど、『イシターの復活』は三週間かかった」
  • 「『カイの冒険』『ザ ブルークリスタルロッド』のロゴを作ったのは、自分ではない」
 …などの逸話が掲載されている(ちなみに、本の巻末によると「内容に関する無断転載歓迎(自信あり)。」とのこと)。篠崎氏単独の企画ページは他になかなか見られないものであり、大変貴重な企画と言えるだろう。

 さらに、遠藤雅伸氏とチュンソフト・中村光一氏(ちょうど『かまいたちの夜』の発売前)の座談会を、9ページにわたって掲載している。ここでは、当研究室の「邪神の啓示」でも触れられている「『ザ ブルークリスタルロッド』『弟切草』『ゆみみみっくす』の関係」の話や、ほかにも「レバーを上に2回、下に5回(39階のレッドリングの出し方)は、開発番号“V-25”が元」といったネタなど、さまざまな逸話を読むことができる。

 現在すでに入手は難しくなった本だが、貴重な資料となるので、機会があればぜひ読んでいただきたい。
別冊宝島349 空想美少女読本
■宝島編集部・編 ■宝島社 ■857円
 1997年12月4日に発行された、雑誌「宝島」の別冊。
 カイの事が載っているのは、120ページの「レトロゲーム美少女」というところにピーチ姫(マリオ)、ワンダーモモ、セリア姫、ワルキューレと共に載っているだけです。

●ドルアーガの塔の最上階に幽閉された美少女
 ドルアーガの塔で騎士ギルの助けを待つ巫女。だが続編イシターの復活では先頭を切って敵と戦っていた。『ドルアーガの塔』

↑こんな感じでした。あとは年表や索引に載っているだけです。時代の流れというか、やはり扱いが小さいです。
※以上の情報は、三度辺さんからいただきました。ご協力ありがとうございます。
季刊/月刊NG
■NG編集部・編 ■ナムコ ■0円
 ナムコが発行していた広報+情報+α誌。もともとは季刊として発行され、ちょうど『イシターの復活』が登場したころに月刊誌に移行。基本的にはナムコの広報誌でありながら、一時期は「NGはナムコが嫌いです」という大胆なスローガンを掲げ、読者も巻きこんでの誌上討論に発展したこともある。

 月刊NGの発刊当初は、表紙を毎号パックマンのイラストが飾っていたのだが、あるとき「読者の意見で表紙のキャラクターを決めよう」という企画が持ち上がり、その結果ギルとカイがペアで1位を獲得。その後、約1年以上にわたってふたりが表紙に描かれていた(しかし、のちにカイ中心、またはカイのみになるのだが)。
 ほかにも特製付録に「ギルお面」をつけ、それを使って花博(大阪花と緑の博覧会、'90年に開催)で読者集会を行なったり、“ああ青春のドルアーガ”と題して『ドルアーガの塔』に関するアツイ想いを読者から募集する企画を実施したりと、なぜか『ドルアーガの塔』に関する入れこみ度が妙に高かった。

 のちにNGは、隔月刊になって完全なナムコ広報誌に戻ったあと、数号で廃刊。その後は「NOURS」(バンダイとの合併後は「B-NOURS」)という冊子が、NGのあとがまとして発行。しかし、B-NOURSは12号(2009年4月発行)をもって休刊となり、26年にわたるナムコの広報誌の歴史は終わりを告げた。【参考資料
新明解ナム語辞典
■西島孝徳・著 ■日本ソフトバンク ■5,000円
 自他共にナムコマニアと認める著者・西島氏が、高校生時代に執筆した「明解ナム語辞典」に大幅な加筆・修正を加え出版した辞典。ハードカバー部分は基板を模したプラスチック製で、海外でデザインに関する賞を受賞したこともある。外箱は段ボール製で、予約特典として特製テレホンカード(『リブルラブル』の絵柄)が付属した。

 この大元となる「明解ナム語辞典」は、「『ゼビウス』のザカートを見て黒玉だ、と言う人たちを見て、ちゃんと正式名称があるのだからそれを知ってほしかった」という理由で、西島氏が独力でコツコツと書きためたもの。それをナムコがスポンサーをつとめていたラジオ番組「ラジオはアメリカン」に投稿したところ、番組内で取り上げられ、そこから紆余曲折を経て出版が決まったらしい。
 当時の西島氏は、地元のナムコ営業所を見学に訪れるほどの熱烈なナムコマニアで、NGの常連投稿者としても名を知られた存在であった。そうした純ナムコマニアという視点から書かれた文には、ナムコに対する偏執的かつ優しい愛情が、端々からにじみ出ている。

 内容はというと、とにかく文が痛快でおもしろく、何の変哲もない「あたま」といった単語にまでひとひねりを加えた解説を付けるほど。なかでも『ゼビウス』の公式設定や画面から得られる情報をもとに、ソルバルウの飛行高度(なんと2.1メートル!)を算出してみせた件は、現在でもマニアの間で語り草となっている。

 この辞典内での『ドルアーガの塔』だが、西島氏は『イシターの復活』を指して「イラストではカイのスカートの丈が短くなっていて鼻につくし、ゲームがカイ主導になっているのも納得しかねる」と述べており、どうやらギルのほうがお気に入りらしいことがうかがえる。
 そのためか、この辞典では各行(あ行、か行という意味のほう)の間に資料集的なページを数ページもうけているのだが、そのなかにギルの写真集的なページを作っているほどだ。

 西島氏は、この辞典が縁でBeep誌にて「らくしょ=にしぢま」というペンネームでライターとして活動。その後は普通に就職し、ゲームおよびゲーム出版業界とは関わっていないようだ。
 ちなみに、西島氏と管理人は、同郷の人だったりする(とはいえ一面識もないが)。
The ナムコブック
■成沢大輔・編著 ■JICC出版局 ■2,500円
 家庭用ゲーム機におけるナムコゲームを、さまざまな角度から取り上げたバラエティ本。1991年3月10日発行。

 この本では、家庭用ゲーム機のBCSとしてFC版『ドルアーガの塔』、および『カイの冒険』が取り上げられている。
 どちらもキャラクター、ゲームデザインともに大きく取り上げられており、「NAMCOT ALL CHARACTERS」の章では篠崎雄一郎氏によるギルの描きおろしイラストが4点掲載。カイのイラストも、描きおろしはないが10点以上掲載されている。また、「GREAT CREATION」という章では、『ドルアーガの塔』が当時のゲーム業界に及ぼした影響を「ドルアーガ・パニック!」として解説。ストーリーやキャラクター、そして宝箱の出し方という“裏技”が、当時のユーザーにいかに衝撃を与えたかを記してある。

 巻末には例の隠しコマンドも掲載されており、FC版『ドルアーガの塔』のまとめ資料としては最適だ。
THE NET GAMES ドルアーガの塔 〜the Recovery of BABYLIM〜
■ザ・ネットゲームズ編集部・編 ■エンターブレイン ■2,000円(税込)
 Windows用MMORPG『バビリムの復興』のファンブック。
 オールカラー48ページで、内容はゲームの簡単な紹介とマンガ6本、イラスト集。そして、ゲームのインストールランチャーDVD-ROMと、ゲーム内でアイテムがもらえるシリアル番号が収録されている。
 ファンブックだけあってメインはマンガなのだが、内容はいずれも「マンガ家が体験したRoBレポート」といった体裁になっており、どれもコミカルなもの。そのため、ほとんどで「塔内の1階のスライムにやられる」という笑わせどころが共通している(これは正直、マンガを複数本載せた本としてはどうかと思うのだが…)。

 実際にゲームをプレイしている人にとっては、メインは「この本でしか手に入らないエモート」。シリアル番号を入力すると、「ロボットダンス」「体育座り」「ダラダンス」のいずれかのエモートが手に入る。
 ただし、どれが手に入るのかはわからないので、希望のエモートが手に入らなかった場合はあきらめるか、もう一冊買おう。