□『カイの冒険』編

黒字=2ちゃんねらーの質問
緑字=遠藤氏の回答(文頭のS、A〜Eは遠藤氏による質問の評価点。Pはペナルティ級)
赤字=GIL@D/LAB.管理人のコメント(ないのが大半です)


□ カイの冒険で、「壁に頭をぶつけないとしゃがめない」というアイデアは、どのようにして生まれたんでしょうか?
★A カイの冒険は、アタリ・ゲームズの名作「メイジャー・ハボック Major Havoc」の面白さをファミコンでやりたいという、内藤智の情熱が生み出したゲームです。開発ネームは「Minor Havoc」。宇宙服を着た主人公が、低重力の宇宙ステーションを突破する内容でした。
 試作品が完成してみると、ゲームは面白いのですが、商品としての魅力に欠けます。「でも、これってカイの冒険だよね」というインスピレーションから、ゲーム化のつもりが無かったエピソード0として、再開発が始まったのです。
 元となったメイジャーハボックでも、頭をぶつけるとしゃがみこむフィーチャーがあります。でも、それをゲームデザインの中に入れ込んだあたりが、遠藤の仕事です。高次の面については、カイの動きをシミュレーションしてみて、限界動作の時の軌跡を予め想定しておき、それを妨げないように床や壁を設置していく方法をとりました。どんな難しい面も、理論上はできるはずなので、誰かがクリアできた時点で正式採用しています。
◇ スタッフロールにも「スペシャルサンクス アタリ メジャーハボックかいはつチーム」と書かれていますね。

□ これ(メジャーハボック)をリメイクしようとしていたときにカイの冒険の製作の話がきて
★C 既出ですが、状況は判ったと思います。QOK、DOGともに、遠藤からナムコへの企画持ち込みになります。ただし著作権はナムコにありますので、その後に制作を請け負う形になってますが…。
 今後も、例えばドルアーガとイシターの戦いをモチーフにしたゲームなどを企画しても、ナムコがやらなければ実現することはありません。逆に、ナムコがやるのであれば、ライド物でもゲームブックでもアリです。

□ カイの冒険はひたすらストレスが溜まるだけのクソゲーだと思ってます。このゲームが好きな人、どこが面白いのか教えてください。
★ 4作の中で、ドルアーガとカイの2つは絶対の自信作です。「カイの冒険」については、性に合わない人にはとても遊べないゲームということは分かっていて作りました。でも、ボクもそうなのですが、ピリピリする緊張感の中でカイをコントロールしていく感覚は、今でもたまに出してプレイしたくなるほどなのです。
◇ あの緊張感とストレス、そして開放感はすさまじかったですね。

□ (QOKは)突き落としてもいいから、コンティニューできるようにしてほしかった
★S 家庭用なんですから、コンティニューに関して、もっと寛容でないとだめでしたね。ごめんなさい。
◇ 電源を切らない限りコンティニューはできるものの、パスワードコンティニューなどがないため、先に進むのはかなりキツイゲームでした。

□ 裏面はオマケみたいなもんだ
★A QOKは敵に接触すると、その敵が次の回にいなくなるというミスバイパスを採用しています。ワープも利用して頑張れば、60面まではなんとか行けると思うんですよ、ヌルゲーマーでも。いや、59面はダメかな?
 とにかくゲーム的には60回でエンディングを向かえ、一度タイトル画面まで戻したりして、区切りを付けています。その後は、本当にヘビーユーザーのためのスペシャルで、キャラクターもファンサービスしか考えていませんでした。
◇ 59面は慣れたプレイヤーでないと難しいですね。

□ マジでアクションゲームとしては秀作だったさ。
★A ありがとうございます。
 多くの人にプレイしてほしいので、確か3900円という安い定価に設定してもらったのですが、同時期に9800円というソフトが登場して、量販店で割引率の違いから同じ値段で売られることになり、「割引率」で負けてしまいました。
 自分の中でも「安かろう、悪かろう」と思われたくない作品です。

□ 「エピソード0」にあたる作品だったため、「こんだけ苦労して、やっぱ石にされるのか。」な感じがツラかったですね。
★ どうもゲーム史上初の、バッドエンディングのみのゲームだったようで、同じように「カイがかわいそう」というお便りを何通かもらいました。エピソード0は最初は予定していなかったので、しかたないといえばそれまでなのですが、以降、画面も含めて、暗いのはやめようと反省しました。
◇ エンディングのBGMがまた重苦しく迫力があるんですよね。個人的には、BCSのなかでも5本の指に入るほど好きな曲です。

□ QOKでカイはドルアーガと会って何をするつもりだったんだろうか
★D カイは最初からドルアーガと会うつもりなど無かったはずです。こっそりロッドを持ってくるつもりで、塔に向かいました。ドルアーガも塔に侵入してくる者がいることなど考えてもいなかったので、塔の中に積極的な攻撃の意思を持つモンスターがいなかったのです。
 最上階にポツリと置かれたロッドは、万が一の時にドルアーガが用意したトラップで、侵入者に気付いたドルアーガは、すでにすっかり癒えた魔力を使ってロッドを分かつわけです。カイが石にされただけで済んだのは、女神イシターから預かったティアラの力という風に設定していました。

□ QOKのイシターの台詞で「カイの後ろ姿が源平の要石に似ている。」には意表を突かれた。これ誰が考えたんやろ?
★ 見城こうじ氏主宰のミニコミ誌「BGM」に突っ込まれてたネタです。
◇ 見城こうじ氏は言わずとしれたナムコ好き。マイコンBASICマガジンのライターを経てナムコに入社し、『エメラルディア』『ティンクルピット』などを作りました。現在は独立し、ノイズ社の社長です。

□ (特に質問とかはない流れで)
★ ひこのたける氏は女性だよ。ちょっとオバQに似てる(笑)
◇ ウィング取得時のBGM「お魚になった私」など、小沢純子さんとともに『カイの冒険』のBGMを作曲した方ですね。しかし、小沢さんも「口が大きい」とか言われていた方でしたな…。

□ 「カイの冒険」で、敵に接触して死んだ時とタイムアウトで死んだ時と、倒れた際のカイの頭の向きが違うのはどうしてですか?
★S 時間切れの時は、失敗したわけではないので、前向きに倒れるんですね、そう坂本竜馬のようにです。敵に接触した時は、ドーンと仰向けになってしまうんです。ゲーム的には、死んだ原因をちゃんとプレイヤーに知らせる意味があります。

□ 【カイの冒険】25階・やはり "シメシメ" ですか?
★A 何が入っていたのかなぁ。BCSの決まりからすると、25階は宝箱なしとか、ミミックだったとか、空箱だったとかにしたんだろうなぁ。だとしたら、シメシメです。
◇ 「たどり着くのに物凄く苦労するうえ、たどり着いてみたらミミック」という驚愕のオチが待っています。

□ カイ25Fの宝箱(ミミック?)にたどりつけました〜!
 ビホルダーで2人のカイをつぶして後は慎重に行けば・・・と思ったらといっても時間短いし、ジャイアントリーチとバットも嫌なところにいるしサラマンダーの炎も飛んでくるんで最後まで難しいフロア構成でした。97Fとまではいわないけれど慣れないとキツイな〜
 エンドたんも狙ってこんなフロア構成にしたんですかねw
★ 行く必要のない場所に、チャレンジャブルな仕掛けをねたで置くなど、狙い以外の何物でもないだろ!

 ちなみに、ボク自身もノーミスでミミックまで行ったことがあると記憶してる。まぁ、好きなゲームの1つなので、各面それぞれにはノーミスクリアしたんだけどね、通しは無理(笑)

□ 久々にQOKをやった。腕が鈍ったと感じた・・・19階でワープ取るためにふたりも氏んでしまった。鵜津田氏悩
★ QOKは毎日の研鑚がものを言う世界だなぁ、やっぱり(藁

□ カイの冒険はノーコンティニュークリアしましたか?
★ たしか、「ノーコンティニュークリアするヤツは人間じゃない」みたいなコメントをイシターかクォックスにさせたような…。もちろんしていません。